【第三合 ハッタリ半端帖】

–前回、古代のお酒の話を聞いた3人は、益々酒造りへの関心が
深まっていく?–

何を飲まれますか?

うーん、沢山あってやっぱ迷うわ。

あれなら店員さんのお勧めを聞いてみようか。

そうだな!あの~、何かおススメってあります?

・・・そうですね、全部おススメですけど、
良かったら同じ県の純米吟醸3種類とかどうですか?

いいわね!何県にしようかしら?

そうだなー。これも店員さんに決めてもらう?

いやいや、そんな今どきの決断出来ない若者だなんて思われたら、
俺嫌われちゃうよ。

お前はこれ以上無いくらい嫌われたからもう大丈夫だ。

じゃ、それも店員さんにお任せします。

かしこまりました。少々お待ちくださいね。

あんまり高すぎないのでお願いしまーす

それでいて美味しいやつ!

後きゅうりの漬物もお願い。

かしこまりです~

さて、昔話が終わったところでようやく俺の出番かな?

まあそうなんだけどさ、あんまり昔過ぎて実感が湧かなかったかなー

もう少し現代っぽい辺りの昔話も聞いてみたいよね。

そうだな・・・

例えばよく鬼平なんちゃらとかの時代劇で、藤田なんとかさんとかが
小料理屋みたいなところでくいっとやってるのって、あれって日本酒だよね。

うむ、実に旨そうに飲んでいるな。

そのお酒はさっきの噛んで造るお酒じゃないわよね?

うむ、俺も良く知らんのだが、江戸時代には既に、現代の
日本酒造りの基礎が出来ていたらしい。

それは【麹】を造ったりってこと?

それだけでなく、推測だが、【三段仕込】や【寒造り】といった
今の清酒製造のあらゆる基本が、このあたりに確立されてきたと考えている。

ふーん、また新しい言葉が出てきたね。

何となく意味は分かる気がするわ。

まあ、またどっかで説明すると思うが、こういった技術や工夫は、すべて【腐造】を防ぐために考えられたものだろう。【腐造】になると【醪】がダメになり、蔵の生命に関わる事態になるからな。

酒が、腐る?

なんかヤバそうだな。

ああ、技術も理論も確立されていない時代の酒造り、言い換えれば、出稼ぎの杜氏の経験と勘だけで酒になっていた時代だ。だから杜氏も安定して酒を造らなければ、次は蔵の経営者に呼んで貰えないかもというプレッシャーもあっただろう。

きちんとしたお酒を造り続ける為に、色々な試行錯誤をしてきて、
それが今にも繋がっている。なんだか素敵でカッコいいわね。

いや~照れるなぁ。

よく照れれるなぁ。

お待たせしました。秋田県の純米吟醸3種類です。

きたーー!

どれどれ、「まんさくの花」「雪の茅舎」「天寿」か。
うむ、素晴らしいチョイスだ!グッジョブ!!

きゅうりの漬物もどうぞ。

まるでマスターも飲み始めるような話し方だな。

固い事言うな、どうせお前らの金だ。

そうね。どうせBのお金だし。いつのまにか。

いつのまにか分からないけど、みんなでBに感謝しつつ飲みましょう!

あ、あの、私も混ざって良いでしょうか?あ、でも、Bさんのお財布のご負担になるのなら申し訳ないな・・ウルル

–潤んだ瞳でBを見つめる–

ふふ、ふっはははは、全く問題ありません、喜んで!!
あ、先にLINEのID教えてね。FBもやってるよね?

抜け目ない奴。それにしてもこの漬物美味しいわね。パリパリ

うん、これって、辛子漬け?

うむ、代々伝わる秘伝のレシピだ。覚えるのに苦労してな。
この味が出せるまで幾星霜。酒にも良く合うぞ~

やるわね~ゴクゴク。

マスターカッコいい!ゴクゴク

お酒が進むね。ゴクゴク

・・・・え、クックパッドって、そんな昔からあったんですか?ゴクゴク

・・・

・・・

・・・このページの通りにやったんですよ~。美味しく出来て良かった。

・・・・・・いや~、あれだ、俺最近有料会員になったんだ。

で!?

今回はここまで、次回をお楽しみに^^

【第四合 素材にこだわる男】
さて、そろそろマスターの話を聞かせてもらいましょうか。いい具合に酔ってきたね。うへへぇ、店員さん、どんどん飲みなよ トクトクあら、ありがとうございます~。ではどこから話そうか・・・カテゴリは以下の通りだったな《原料処理》《麹》《酒母》《醪》...

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