【第五合 米米倶楽部】

ふぅ、結構時間が経ってしまったな。とりあえず飲み直しということで、
お前たち何にする?

俺は田酒の山廃をぬる燗で。

燗って、温めたお酒の事よね。何か美味しそうね。

じゃあ燗祭りって事で。誠鏡の純米雄町も燗してください。
それぞれ2合づつで。

かしこまりました。おちょこは5つでいいですか?

うむ、仕方あるまい。

仕方がないのかな?ねぇマスタ・・・

授業料だよ。授業料。

それなら仕方無いわね~。

ボソッ(後で僕もちょっと出すから)

うぅ、Cよ、やっぱ持つべきものは親友だな!よっしゃ、飲みまくるぜ~

では行こうか《原料処理》だったな。

そうね。ってか原料って、お米の事かしら?

そりゃそうだろう。日本酒の原料って言ったら米だろ。他に何がある。

そうだ。米だ。酒造りに使う米は《酒米(さかまい)》とも言われ、
その中でもさらに酒造りに適してると評価されている米は《酒造好適米》という。

酒造好適米:他の米に任せちゃおれん!
酒造好適米は文字通り、酒造に適したお米を指す言葉です。 美味しいお酒が出来ることはもちろん、 造りやすさ等も考慮され総合的に判断されるみたいです。 現在最も有名な酒米である『山田錦』は 酒造好適米界のエース、酒米(さかまい)界の...

その《酒造好適米》って、普通のお米とどう違うんですか?

イケメンなのよ、きっと。

よくぞ聞いてくれました!例えば一般的な「コシヒカリ」や「ササニシキ」
は普通に食べると美味しいんだが、酒造りに使うと蒸した時に粘りが多くて
扱いにくいんだ。だから酒米としては好まれていないそうだ。

へ~、食べて美味しいのと醸して美味しいのは違うんだ。なんか面白いね。

じゃあ逆に、《酒造好適米》を普通に炊いて食べたら美味しいの?

いや、俺も食べた事はないんだが、すごく美味しいわけではないが、
食べられない事も無いらしいぞ。

へ~、ちょっと食べてみたいね。

そしてさっきの質問だが、酒造米が一般のお米と比べて優れている部分は、
まず早く精米出来る事。その際に砕けにくい事。次に捌け(さばけ)が良い事。
つまり粘らないって事だ。そしてちょっと難しくなるが、破精込みが良い事。
醪で溶けやすい事。鉄分、タンパク質が少ない事。などが挙げられる。

うぅ、なんだか色々あるけど、酒造りに向くお米って、狭き門なのね。

優等生ってやつだな。俺らと違って。

酒米と言えば、山田錦は有名ですよね。

うむ。山田錦は間違いなく一番有名な《酒造好適米》だな。
後は五百万石(ごひゃくまんごく)、美山錦(みやまにしき)、
後さっきの注文にもあった雄町(おまち)も《酒造好適米》だ。

ふーん、その山田君はそんなにイケてるの?イケメンなの!?

ま、俺と同じ位にはな。あいつも中々・・・

お待たせしました~、田酒と誠鏡です。おちょこもどうぞ。

お、きたきた

さぁさぁAさん、おひとつどうぞ。トクトク

あら、ありがとう

はい、店員さんもどうぞ。トクトク

どうもです。Cさんも如何ですか?

ありがたく頂きます。トクトク

燗酒は、このお互いの距離感がいいですよね。
差しつ差されつ。風情ですね。

何か時代劇の再現みたいで面白いわね~。

一応俺たち3人は客で2人は店員だけどな。

ウォッホン!!それじゃ、改めて・・・

カンパーイ!!!!!ゴックンチョ

美味しい!あったかい日本酒って初めて飲んだわ。

これ、ちょうどいい温度だね~。

うん、何℃なんだろ。

大体40~45℃で、ぬる燗と呼ばれる温度帯ですね。
体温より少しあったかくて、体に優しい温度帯と言われています。
合わせるお料理の幅も広がるんですよ。

え?ぬるぬる?店員さんぬるぬるなの?ねぇ、ぬるぬるなの~!?

きめぇ、こいつマジできめぇ ゴクゴク

まぁ我慢我慢。Aの驕りなんだから ゴクゴク

Aさんはほっといて、話の続きでもしましょうか。

うむ。というか今回の話は、《原料処理》ではなく
《原料》の話になってしまったな。まあそれはそれで話したい事は沢山あるが、
次回こそは《原料処理》の《精米》を説明するぞ ゴクゴク

今回はここまで。次回をお楽しみに^^

【第六合 熟成の妙】
よっしゃぁ!久しぶりだな。久しぶりすぎて酔いが醒めたわ~何の話してたっけ?えーっと。確か≪原料処理≫のお米の話だったね。自信の無いマスターってちょっと可愛いかったですよね~。その恥ずかしそうな姿の動画を早速FBで拡散っと。おい!やめてくれマ...

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