こんにちは。管理人のnomiです。大した経歴は御座いません。それどころか現在無職です。はは・・・。
本日の内容は『今日始める日本酒入門』ですので、これまで日本酒に余り興味の無かった、もしくは少し興味のある20歳以上の方へ向けた内容です。
読み終わった後、思わず旨い日本酒が飲みたくて駆け出したくなるようなタメになる内容を目指しています。宜しければご一読ください。
今、日本酒界隈で何が起きているのか
日本酒業界は絶賛衰退中なんて言われ続けて20年程でしょうか。
確かに日本酒を製造する蔵は全国で減り続けていて、昭和50年代に1500近くあった蔵は、現在は900蔵前後まで減ってきているようです。
しかしながらそれは元々多すぎる蔵が淘汰されているだけで、昔から良いものを作り続けているお蔵さんはこの先も生き残るでしょう。
お酒は嗜好品ですが、「酒蔵」とか「杜氏」とか聞くと、何だかすごく厳かで歴史のある老舗みたいなイメージがあり、きっと旨いんだろうなと思い実際に買って飲んでみると
「うーん、こんなもんなのかなぁ?」ってお酒は沢山あります。
お酒は嗜好品のはずなのに満足出来ないのでは、お金の無駄ですよね。
今本当に評価されている名のある銘柄は、技術研究と毎年の試行錯誤の賜物であり、
今後ますます素晴らしい酒を造られる事と思います。
そうして味で勝負して儲かっている蔵は、
新しい技術の研究や設備への投資を行い、どんどん生産量を増やして繁栄していくのです。今話題の獺祭(だっさい)がまさにそうです。
商品の希少性と味についての誤解
お酒選びのときに誤解しがちなのが
- 少量生産だから美味しい
- 限定品だから美味しい
- 純米酒だから美味しい
の3つです。私自身、百貨店のお酒コーナーで何度も試飲販売の営業をさせてもらっていたので良く分かるのですが、「少量生産」「限定」「純米」は、かなり効果の高い売り文句で、いや、実際その蔵の酒は旨いのですが、必ず美味しいとは限らないということを覚えておいてください。
販売員さんたちは何としてでもアナタに買ってもらいたいのです。
だから最初はお値段的にも安めのお酒を飲んでもらい、段々と高価な吟醸、大吟醸と試飲してもらうことで
「あ、こっちの方が”さっきのと比べると“美味しいな」という事と
「これ今だけの限定純米吟醸なんですよ~、少ししか造れないんですよ~」という営業トークでアナタの選択の幅を徐々に限定していき、購入に結び付けるのです。
やっぱ勧めた酒を買ってもらえると嬉しいですし、私も販売員としての使命を果たせますが・・・。
ですから何が言いたいかといいますと『乗せられるな』という事です。
試飲あるある
信じられないような話ですが、都市部、それも土日に頻繁に、「試飲魔」という、百貨店という百貨店を巡り歩き、試飲できる限り飲みまくり、何も買わずに帰る、という、百貨店酒コーナーのブラックリスト的な存在が実在します。名物ともいえます。
しかも何故か分からないのですが、試飲魔には女性が多いのです!
もちろん店側は、その客の顔を覚えているので、そいつが近寄って来たら皆で合図をし、目を逸らして別の仕事を始め、とにかく構わないようにします。
店員は皆あからさまに避けるので、一般的な感覚の持ち主であれば「あ、私嫌われてるんだな、いつもタダ飲みしてるし」と、普通は気づくと思うのですが、本人たちに自覚は全く無く、延々と試飲コーナーのあたりをウロチョロウロチョロ・・・追い払う訳にもいかないので、たいていは1杯だけ飲ませて後は帰るまで無視します。
試飲用に使うお酒だって、大切な商品なのですから、無駄な出費は出来ません。
逆にこちらから振舞うように酒を注ぐ事もあり、
- まとめて買ってくれる方
- 高級酒を買っていただいた方
- 常連の方
には好きなだけ飲んでもらってました。その分印象が良くなり次回も売れるので万々歳です。
以上、試飲あるあるでした。
今までが前置きです
長々とすみませんでした。僕が持っているうんちくを語りたかっただけで、
ここまでの話は全て前置きです。ウケない話かもしれませんが、良ければ飲み会等で自由に使って頂いて構いません。
少しでも日本酒に興味を持って欲しかったのです。
ではここからが本番です。
「今日始める日本酒入門」はテーマを2つに分けます。
- だれでも美味しい日本酒が手に入る”選び方”とは
- だれでも美味しく飲める”飲み方”とは
だれでも美味しい日本酒が手に入る”選び方”とは
本来であれば通販が一番楽なのですが「今日始める日本酒」なので今日手に入らなければ意味がありません。
さらに普段日本酒を飲まれない方を対象に記述しますので、簡単でそれでいて旨い日本酒を手に入れる方法が必要です。
なお、東京や大阪の都市部は商品が選び放題ですので除外しています。東京ならコチラから私が直接足を運んで選んだおススメの酒屋をご紹介していますので是非ご覧ください。
いきなり答えを書きますが、百貨店のお酒コーナーを利用します。
そして自分が買いに行く百貨店が、例えば三重県であれば、必ず三重県の蔵のお酒は多く扱っていますので、更にその中から、最も取扱商品の数が多い蔵を特定します。
つまりその百貨店で、その土地の地酒で、最も人気がある銘柄を判明させるのです。面倒くさい方は店員さんに「○○県の地酒でどれを一番多く扱ってるの?」って聞いて貰えればOKです。ちなみに百貨店が近くになければ、大型スーパー(イオン等)も地酒の扱いが多いところがあります。
大抵の場合、取り扱い商品の多い銘柄は、試飲販売の成績も良く、売れている、つまり味の良い酒、ファンの多いお酒だと判断できます。
そして経験上、消費者も自分の土地のお酒が好きという方がほとんどなので、商品の回転も速く、いつでも良い状態の商品が棚に並ぶという好循環になっています。
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【プチ情報】
「商品」と「銘柄」の違いについて
「銘柄」とは・・・「八海山」「十四代」「菊正宗」等、名前、ブランドを表す。
「商品」とは・・・「八海山 純米吟醸」「十四代 本丸」「菊正宗 上撰」などの個別の販売物を表す。
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いつ造られたお酒なのか確認する
銘柄を特定したら後は買うだけなのですが「製造月」がどこかに必ず記載があるので確認してください。
実は少し前に酒の表示に関する制度に変更があり、これまでは「ラベルを貼った月」が製造月でも問題無かったのですが、今は「瓶詰めをした月」を製造月として記載しなければならなくなったのです。これは結構重要な事で、以前の制度であれば、例えば昨年造ったお酒でも、ラベルを貼ったのが今月であれば、製造月の表記は「今月」で良かったのです。
消費者の感覚からすると、「いやいや、それは今までがおかしいでしょ」と思うのが普通ですよね。だって、本当は去年造ったお酒なのに「今月製造しました」って表示があったら、まるで最近造られた、新鮮なお酒と思い込んでしまいます。この表示制度が改正された事で、消費者側としては「製造月を確認する」という作業に意味が出てきて、それはお酒の鮮度の把握がある程度出来るということを意味します。
まぁ、製造する側としては「このお酒はあの月で、これはこの月で、あーもう!」と、かなり大変な面もあると思いますが、頑張ってもらいたいものです。
で、私なら確認して大体1~2ヶ月前までの商品なら購入してOKだと判断します。
新しい程良いというものでもないですが、半年も1年も前のものはほぼ悪くなっています。中にはあえて「古酒」として売られている古いお酒もありますが、最初は手を出さない方が無難です。
どのランクの商品を買うかは予算次第ですが、ここで後出しで大変申し訳ないのですが、
実は・・・「2本」買います。黙っていてすみません。切り出すタイミングが・・・
それは、「生酒」と「火入れ酒」を1本ずつ買うという意味です。
予算は、正直に言うと4号瓶が2本で4000円位は確保しておいて欲しいところです。
大体の相場があるのですが、生酒で1500~2000円、火入れ酒で2000円~2500円くらいの商品であれば最初の銘柄特定の技と併せて、そうそうハズレません。
「生酒」は非常に簡潔に説明すると、高温殺菌していない生のままのお酒で、まぁつまり中のお酒は一見ただの透明な液体なのですが、実は酵素と呼ばれる成分がバッチリ活動しているため、酒が温かくなってしまうと酵素が働きすぎて、閉めているハズの蓋が吹っ飛んだりして大変な事になるんです。だから冷蔵庫に入ってます。「おとなしくしてろよ~、暴れるなよ~」的なね。生酒について更に詳しく知りたい方は下記からどうぞ。
対して「火入れ酒」は高温殺菌したお酒です。中の酵素は活動する力を失い、死んでいます。だから冷蔵庫に入れなくてもある程度は大丈夫なのですが、それでも酒自体は熱に弱いため、冷蔵されているに越した事はありません。火入れの詳細はコチラ。
生酒は必ず冷蔵庫に入っているため、分かりやすいです。逆に冷蔵庫に入っていなければ、それは火入れ酒です。
※「生酒」の取り扱いの無い店舗もあります。主に設備の問題で。
火入れ酒は殆ど冷蔵はされていないと思いますが、だからこそ先ほどの「製造月」を確認することで、少しでも良い状態のお酒を選択する必要がありますし、味に直結しますので大事な部分です。逆に生酒であれば、回転が速いのでそう古いものは置いていないと思いますが、常に冷蔵されているはずなのでどれを選んでも良いでしょう。
まとめると、
- 百貨店がある土地の地酒で最も取り扱いの多い人気銘柄を特定する
- 火入れ酒は製造月を確認して2ヶ月以内の商品を選ぶ
- 生酒と火入れ酒、同じ銘柄の商品をそれぞれ1本づつ買う
という事です。
もしかしたらお酒のラベルに「原酒」とか「山廃」とか「しぼりたて」とか色々と表示があるかも知れませんが、気にしないで下さい。別に悪口を言うわけではありませんが
「弱い犬ほど良く吠える」という言葉もあります。気に入ったものを選びましょう。
あと、お会計の時に生酒に保冷剤が付けられる場合は付けてもらってください。
少しでも良い状態で家まで運びたいですからね。
購入についてのアドバイスは以上です。
ここまでご覧いただきありがとう御座います。ちょっと一休みしましょうか。
私も軽く一杯やってきます。
だれでも美味しく飲める”飲み方”とは
うい~っと、ではここからは、前述の通り生酒と火入れ酒を1本づつ購入した前提でお話します。
どちらのお酒も冷蔵庫に入れて冷やしておいてくださいね。冷やす際は横にして置いても構いませんが、逆さまは怖いのでやめましょう。
日本酒に興味の無い方ですと、専用のグラス、酒器もお持ちではないと思いますが、例えばワイングラスがあればそれを使ってください。
ワイングラスも無ければ透明なガラスのコップを使いましょう。この際形状は問いませんが、複数あるなら口を付ける部分が一番薄いグラスを選択してください。
グラスは1人2つ用意します。2種類のお酒を飲みますからね。
NGなのは紙コップ、木製の器、プラスチック製品です。これらはその素材自体の匂いが酒の香りと混ざるのでおススメしません。もちろん直接ストローで、なんてのもダメですよ。
ま、それ以外は細かい事は言いません。
2本のお酒はテーブルに置いて、好きなように食べて飲んでください。
強いて言えば、
生酒と火入れ酒、それぞれの違いを気にしつつ飲んでみると面白いと思います。
香りも楽しめると更にグッドです。
食べ物は、辛すぎず甘すぎず、酸っぱすぎず苦すぎず、つまり味のバランスが良い和食がおススメです。
肉じゃが等の煮込み料理、枝豆、豆腐を使った料理、お刺身、魚の煮付け、等がおススメです。
百貨店ならお惣菜も豊富に揃っていますので、併せて購入してみては如何でしょうか?
生酒と火入れ酒はそれぞれ味わいが大きく違い、基本的に生酒は「フレッシュ」で火入れ酒は「落ちついた」味わいが特徴です。2本も購入する理由は、自分の好みを見つけるためで、生酒かそうでないかで日本酒を選ぶ人が、経験上とても増えているため、今後のお酒の選択の仕方の参考になればと思い、そうしています。
あっさりした説明になりましたが、飲み方については以上です。
というか、いつも寝落ちするまで飲んでる自分が偉そうな事は言えません。好きにやればいいのです。
どうですか?飲みたくなってきましたか?
これにて『今日始める日本酒入門』を終わります。
さぁ、今から日本酒を買いに行こうよ。
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