カテゴリーでファンタジーというと、夢と魔法の世界で王や魔法使いの登場するイメージ。時に子供だましと軽くみられることもあったであろう分野に、一石を投じたのが『ロード・オブ・ザ・リング』でした。圧倒的にリアルな映像と、予定調和に終われないテーマは、人生の苦さも含んだ大人向けファンタジーだったのではないでしょうか。
しかし。R指定の海外”ドラマ”『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界は想像を超えておりました。だって、だってさ……
ファンタジーなのに嫌悪感さえ抱く。……なのに。
一番最初に見たのは、数年前の事でした。レンタルかネットにて、別の作品のついでにくっついていた、お試し1話としてでした。
かっこいいショーン・ビーンが王様役らしきビジュアルの、歴史ものっぽいファンタジーみたいなものらしい。敵対国なり悪なりと戦うのかしらと、王妃や姫様や中世風のコスチュームに期待して見はじめたのですが、あれっ?えっ?うそちょっと!?なんか、違うんだけど?
何が違うって!
ああ、『ロード・オブ・ザ・リング』でさえ、優しいファンタジーだったんだ、と思うほど、リアルすぎるのです。剣と名誉と戦いは、誉の美しいものではなく、ほぼ無秩序の中で切り開かれていき、そのルールは金や欲望や力。弱い者には人権などなく、飛び散る血は、骨肉までみせるような惨さ。なんでここまでバイオレンスなの?と思わせるほど。
現実の中世はこんな感じのこともあったんでしょうね……。
誇り高い者が栄えるとは限らず、陰謀や裏切りや娼婦にスパイも当たり前。親兄弟であっても、信頼ならなかったりするわけです。
現代のよさ、に気づかされるほど酷い
『不思議の国のアリス』では、赤の女王が気に入らないことがあると、「首をはねておしまい!」と言いますが、あれはトランプの兵隊ですから、首をはねても「カードを切って」るということになる、シャレもまじっているらしい。
のですが、かつては現実世界でも、西洋にしろ日本にしろ、首をさらして見せしめにしたりしていたことがあったんですよね?物語の中の事にしか思えないけれど……。
それをまざまざと、実際のごとく見せつけるのが本作です……。趣味の悪い奴は、生首を遺族によく見ろと迫ってみせたりするような。
こっちがヒリヒリしてくるような苦しい拷問シーンとか、楽しみのための虐待とか、まったくスカっとしない、嫌な場面には事欠かない、と言えるほど……。こ、これはちょっとさ……。
とくに女性なら
この世界観は、日本でいえば戦国時代にあたりそう。王たち領主たちは、娘を嫁がせることで自らの地位や資金や食料や軍を得、戦いに挑むのです。
実際、貴族の女性たちは、望まぬ結婚だとしても、反対することさえ許されず、まるで物扱いだった時代があったんですよね。彼女らからしたら、現代の女性たちは、いかに自由で力を持てるうらやましい境遇にあることか……と思ったりもして。
例え未だに男尊女卑があり、キャリアやワンオペ育児や「女である以上、やることが普通」とされることの辛さに悲鳴をあげていたとしても、パワーを武器にしたセクハラに、涙しか流せないことがあったとしても、それでも、世の中にまだ一定の秩序と教養があり、よりよく変化できるチャンスがある(たぶん)ということは、女性にとって人類の進歩であることは間違いないのかもしれない……、とすら気付かされてしまうほどの最悪な設定です。
倫理観崩壊
貴族たちは、7つの「神々」を信仰しており、忠誠であれ復讐であれ、さまざまな決意「神々にかけて誓う」のでした。これは、一神教がメインの欧米からするとなかなかユニークで、かつてのギリシャの神々信仰に近いのかなあ?という感じ。
しかも中世風で、多分に原始的な側面もあるため、古の神にはゼウスとヘーラーが兄妹だったり、親子間の婚姻で繁栄したという話が日本にもあるように、なんとこの『ゲーム・オブ・スローンズ』でも。
少しネタバレになりますが、まさかの○○家でそんなことが!(ただし、この世界でもタブーではあるようですが。)しかも目撃してしまった子を突き落とす、という衝撃の第一話!
うわー倫理崩壊しとる。見たくない……。続きに期待が持てない……。これが、まず最初の印象だったのです。しかも、R指定を思う存分発揮して、ラブのラの字もない生々しいラブシーンに、ヌードさらし放題、老若男女問わずの世界。
うーん、とても子供には見せられません……(だからR指定だってば!)。ファンタジーの夢な要素はどこに??
ざっくりストーリーを
制作費、88億円。
はっ!?「億」円!?
しかも2ケタの?
ド、ドラマなんですよね?映画でなく???
というほど気合が入ってるだけあって、登場人物もめちゃくちゃ多く、わが相方のように、そもそも西洋人の顔の見分けがつかない人には、混乱しか招かないほどなのですが(さらに、夜シーンは灯りがろうそくで見えにくいし)。
ざーっくりいうと、オオカミと鹿と獅子と竜、それぞれの紋章をかかげる、4つの貴族家がおり、まずは「オオカミ家」と「獅子家」(と呼ぶことにします)の争いをメインに、物語は始まります。
この世界「七王国」トップの王は「鹿家」、その美しい妻は「獅子家」の出身。
その王が亡くなり、忠実な腹心でもあった「オオカミ家」の領主が、図らずもその代わりを務めることに。次期王はまだ子供のため、権力を得たい貴族による画策が始まります。
しかしこのドラマ、地名なのか家名なのか、人名もなじみのないものばかりで(貴族だからでしょうが)、ドラマを見た人同士で話しをするには、彼らの見た目なり、○○してた人、と言わないと意思疎通が難しいほどなんです。映画じゃないからパンフレットの相関図もないし。
ネットでまとめてくれている方もいるので、そちらを参考になさるとわかりやすいです。が、先にがっつり見ちゃうと、相関図でネタバレしてしまうこともあるのでご用心を。
一方、かつて戦いに敗れ、巻き返しを図る「竜家」の兄妹は、遠い地の野蛮で強い部族「ドラスク人」の力を得るため、まだ若く美しい妹が嫁ぎます。この結婚がはじめほんとにかわいそうで……。のちに本物のドラゴンも登場。
北の壁には「ナイツウォッチ」と呼ばれる、なんらかの過去がある元貴族や前科者、腕の立つ者などの男たちの集団があり、壁の向こうの脅威を食い止める使命を持つ。
その脅威とは、「野人」と呼ばれる乱暴な集団の襲撃と、さらに滅びたはずの「ホワイトウォーカー」という、謎の不吉な者たちの出現のこと。
歴史物語のように、人間たちの権力争いをベースにしながら、オオカミの「中」に入る力、3匹のドラゴン、新興宗教の悪魔的な魔法などをごく少量のスパイスとして、登場人物もどんどん増える怒涛の物語がシーズン4までの流れです。吹雪の向こうには、ホワイトウォーカーが謎の目的で徘徊しており、いまだ全貌が見渡せない広大な世界が広がり、あちこちに死体も転がります。
最終的にどう着地する物語なのか、ちょっと想像ができません。どんな風にも転がっていきそうなほど多様なのです。はい。
登場人物が魅力的すぎる。
さて、あらすじを書くと、世界史の記述のようになってしまいましたが、
衣装も豪華でCGも美しく、スケールも大きいが、これでもかというほど野蛮でアダルトで、倫理崩壊な上に胸くそ悪いとしか言いようのないほど最低の人物「たち」も登場するので、しぶしぶ見始めたシリーズ(家族の意向で)。
やっぱこれ、心理的にダメだったら席はずそっ、と思って今回再び見始めたわけですが、これが……。いつの間にか、すっかりはまってしまったんです!
もちろん、いまだにこんなシーン見たくないとかはあるんですが、
それでも、続きを知りたい気持ちにさせた理由。それは、
登場人物が魅力的すぎるのです!
見た目を言ってるわけじゃありません。もちろん、美しい人たちもたくさん出てきます。しかしながら、(ドラマ『ダウントン・アビー』で、常々語られてきた貴族のみならず、その周辺の使用人たちにも、同じようにスポットをあてた群像劇がヒットしたのと同じ図式に思えるのですが、)いわゆる英雄譚や、国盗り物語のように、華麗な騎士が悪を打倒する栄光の物語からは、一歩進んでいるのです。
なんだろう、平家物語のような華麗さと恐ろしさに加えて、
なんらかのハンデを背負った人物たちが、それを切り開いていく!
その様が、実に勇敢で……感服してしまうんです!
よく、あきらかにいじめられそうもない見た目の子役(かわいい)が、いじめられっ子として登場し、そこから立ち上がる……みたいな、まるで説得力の無い映画とかがあったりしますよね。でも、このドラマはちょっと違うんです。(後ほど詳しく書きますが。)
そして、
貴族でありながら、逃げ回らなければならない、
王家の血を引きながら、腹違いのため認められない。
王子でありながら、身体が不自由、
敵陣で生きなければならない、
女でありながら、剣士である、
見た目が違うため、蔑まれてしまう、
などなど、実に様々な地位なり本来の役割に反する場で勝負しなければならない人々が、力が支配する、容赦なく残忍な世界で、命を賭けて生きねばならない。
たぶんそこに、従来の「華麗で美男子なアーサー王など騎士が武勲を立てるような」タイプの、特別な力を持つ男の子「ハリーポッター」や「ホビット」のような、別世界の物語ーと楽しむ作品との違いがあります。なんだか自分たちに近い境遇にある人々として、生きる上での理不尽さや苦しみについて知っている人間として、ぐっと共感し、生き残るためにさまざまな形で必死に闘っていく姿に、ストレス社会から逃れられず、生きづらさを感じるわたしたちも、勇気づけられてしまうのです。
それが、大人気作になった理由ではないかと思います。
だから、過剰にも思える暴力描写によって、彼らにもたらされる名誉の失墜や憎しみが、こちらにも真に迫り、「これだけのことをされて、」「あんなことは許せない」、「だからこそ戦ってほしい、」そんな風に物語にひきこまれてしまうのです。
お気に入り人物がこの先どうなってしまうのか、目を離さずにはいられなくなるわけです。(死人が続出するドラマなので。)
また、悪でしかないと思われる行為にも、見ていくうちに、その人にもストーリーがあり、彼の価値観からいけば、こういう理由でそうした、というのがわかったりもします。
共感はできないけど、だからといって悪人とも割り切れないというような複雑さが、現実味を帯びていて、物語をより深くしているように思えます。
原始的でもありながら、ある意味では、今よりずっと自由な世界?という印象も。ファンタジーに珍しく、同性同士でもベッドは共にするし、姫でも剣術を学ぶし、知能が高くなくても、王子を運ぶという大切な役割を持っていたり、やたらと王の落とし子がいたり……。
現代では、「障害」でくくられ排除されてきたことですが、この作品では、社会の中のひとつのこととして、尊重こそされないが、ごく普通に居合わせている……人も、行為も……という世界は、もしかして豊穣だったりするかもしれません。
はねっ返りのやんちゃ姫、進化する女王、そして小さい人!
以下ネタバレ?
わたしのお気に入りの人物たちをさらっと、いや詳しく?ご紹介。こんな過酷な世界の物語を見ていられるのは、彼らがいればこそ。
オオカミ家の領主 エダード・スターク
「王の手」というナンバー2に任命された彼は、誇り高く責任感のある、みなに慕われる人物。掟に従って誰かを処刑しなければならない時も、部下に命を下すのではなく、自らが実行するような人。ハンサムだしね!(笑)。愛称ネッド。余計覚えにくい!
この人が主人公だと思ってたんだけど……?
彼の子供は5人いて、さらに腹違いの「落とし子」が1人います。で、5人のうちの
次女 アリア
はねっ返りでいつも怒っているようなコ。でもそれは、正義のためだったりして。
女ながらに剣「ニードル」で剣術を習い、過酷な運命に立ち向かっていく彼女の今後が気になります!いつか、戦いで大活躍してほしいのです!
ティリオン 獅子家
名前が覚えられないうちは、失礼ながら小さい人と呼んでいたのがこの人。現王権を持つ獅子家の次男です。
身体がとても小さいため、インプ(小鬼)などと揶揄される。見た目のせいで、父と姉にも蔑まれているが、だからこそと知性を磨いているところ、尊敬してしまいます。変にひねくれたりするんじゃなく、自分にできることを実行し、ユーモアで笑いとばすような強さと器がある魅力的な人物。
いや、この世界で、一番現代人寄りの価値観があるから、好ましいのかな?
酒飲みで娼婦たちには好かれており、真の愛も知っている。まあ、女性に好かれるというのは、成功するための大事な要素らしいですもんね。面白くて相手の立場にも立てるってことですから。
この人がね、すげーかっこいいんですよ。気概がもう。惚れます。
相方も「こいつかっこいいな!」って賞賛してましたから、性別問わず、こら本物だと思います。
ゆがんだ王家にいながら、性格もいいし、これまた魅力のある、ひょうひょうとした傭兵の友達とつるんでて、実に楽しいいいコンビを組んでます。
「妻」とのシーンも、痴話喧嘩なのにコメディめいていて、殺伐としたシーンからほっこりさせてくれる貴重なキャラ。それに、意外とハンサムなんですよね。
ちなみにこの役者さん、映画『ナルニア~』にも出てると思うんですが、たしかその時は無言の射手だったはず。小さいところがかわいい感じでもあったのですが、それが、喋りまくりの色男でしかもこんなかっこいい主役級!役者としても演じてて、相当楽しいだろうなーって、なんだかうらやましくなってしまうほどです。
根性曲がり切った○○を、ガツンと叱り飛ばすシーンは爽快だし、王も逃げ出す絶対絶命の戦場で、「もはや王のためではない、自分たちのために戦え!」と民衆の心をぐっとつかんだスピーチも、まぢカッコいい見どころです!
カリーシ (デナーリス) 竜家
金髪碧眼の美しいデナーリスは、最初、力のないきれいなお人形のような印象でした。
かつての権力者の家柄でしたが失脚し、復興のため、兄の言うままにドラスク人の長と結婚。強いが野蛮な民族で、言葉も通じず、不幸に苦しむかと思われたのですが、回を重ねるごとに意思を持ち、どんどん強く美しい女王<カリーシ>となっていきます。
故国を取り戻すため、軍隊を持つ、そのやり方も素晴らしい。
異国の地で、腹心の部下とたった数十人でスタートしたのですが、不屈の精神でドラゴンを孵らせたことで圧倒的なカリスマを持ちます。なんというか、すぐ死んでしまいそうなか弱い女の子から、苦境にありながらも確実に自分の人生を開花させていくのです。
ゆく先々で力で奪うのではなく、その国の奴隷たちの解放者としてアプローチ。無理強いはせず、わたしならこんな扱いはしない、選べと言うんですね。この世界では珍しい、「優しさ」で慕われて道を切り開く女王です。美しくて強い。ちょっと憧れる。
青い衣装と砂漠のロングブーツがとってもよく似合うのでした。
マージョリー タイレル家(大金持ち)
王座についた新婚の夫が亡くなったため、めぐりめぐって17歳の新王ジョフリーと結婚することになった彼女。なかなか頭もよく、したたか。貧しい子供たちの家を訪問するなど、弱き者へのあたたかいまなざしも持っている。
美しく、堂々として、現代でいえばキャリアウーマンか事業主として成功しそうな感じ。もしくは夫を男にする姉さん女房?
同じく、したたかな伯母上(修道女のような頭巾が特徴)が後ろ盾。
ブラン オオカミ家
オオカミ家の次男。
塔によじ登ったせいで、半身不随となるも、王の血の不思議な力を持つ。ダイヤウルフと呼ばれるオオカミの中に入り、一定時間動くことができるように。年若ながら父に似て、自分の責任を全うしようとしているところが、またいい。かっこいい男になるぞきっと。
道中はホーダーという大男に担がれて移動する。わたしの予想では、最強の生き物、ドラゴンの中にも入れるのでは……と。
ジェイミー 獅子家
喪中の王妃の姉弟でティリオンの兄。金髪で美しく夢物語の王子様にピッタリなルックスだが、恋愛関係は訳あり。
しょっぱなでは悪人ぽいが、実はなかなか悩み多き人。王殺しの異名もまた訳あり。口が達者で、実は優しく気概もあり、そのために不具者となる。
ブライエニー 女騎士 鹿国
大柄な金髪女性騎士。
初対面の男たちにはからかわれるが、並みの兵では太刀打ちできないほど強い、二刀流。忠義にあつく、まさに真の騎士といえる。それゆえお堅いが、ある人物とのデコボココンビは、なかなか素敵な友情を育むことになる。
はい、これだけでも多いとお思いでは?
本作にはまだ主要な人々がおりまして。なんだろ、もう、全員主役と言っても過言ではない作りをしています。
脇役と思いきや、実は落とし子だったり、美魔女っぽいあやしげな人物もいれば、不遇の姫、中国人のような宦官、不遜な悪人、堕ちた王子、美しく狡猾な王妃も悲しみを背負っているし、焼けただれた顔の兵士や、密輸業者の成り上がりナンバー2、さらに一世代前の歴史として語られる王とか含めたら、ディズニーランドどころじゃない人物の混みよう(笑)。
しかもそれぞれに、深い過去があるのは、やはり原作があるからならでは。
もしもこの本を宇宙人に宛てて送ったら、見つけた宇宙人は本当の地球の物語だと信じるんじゃなかろうか。と思うほど濃い。
そういう意味で、これは映画でというより、話数を拡大していけるドラマ向きなんでしょうね。
この世界の価値観(王次第、力次第で人権はない過酷な世界)に、感情がとりあえず適応できれば、あくどい政治のかけひきドラマなんかも楽しめ(?)ます。
複雑すぎて混乱したり、全貌を正確に把握するのは難しいかもしれませんが、だいだいの流れがわかっていれば大丈夫。わたしも途中で家事をしたりで見逃したりしてるのですが。
さらに、あることが起きて、この人はこういうタイプとすると、この後はこうなりそう!って予想して、当たったり外したりするのも楽しい。見た人同士で話し合うのもまた面白いです。
視点の違いで楽しむ
たとえば、多少ネタバレになりますが、
わたしの推しキャラ、ティリオンが、冤罪でかなりヤバい立場に立たされたシーンでのこと。
命を狙われているから妻を安全な場所へと遠ざける経緯があったのですが、愛があったゆえに、失望し嫉妬に狂った妻は、彼に不利な証言をしていしまうんです。
いやー、ほんとに好きだったんだね。惚れられてたんだね。男冥利につきるねティリオン。
なんて言ってる場合じゃなかった!彼女を連れてきたのは、ティリオンの敵。
で、女のわたしの見解としては、
ああせっかく妻を逃がしてあげて、いつかは会えるチャンスもあったのに!彼女が信じてあげてれば……バカだなあ。ほんとなら、ただの痴話げんかで済んでる話なのに、このままじゃ、二人とも殺されちゃうじゃないか!
という妻への見解でした。
さらにティリオンは、「冤罪でもおとなしくしておけば、命は助かる」と助言を受けていたのですが、彼女の登場で激高。言葉でわざわざ王家を貶め、無実を主張。血迷ったかティリオン!あんたの命が!
しかし相方の見解、「彼女がでてきたから、そうしたんじゃないか?」
つまり。妻を責めてもよさそうな事態とわたしは解釈しました。が、ティリオンはそういう男じゃない。
むしろ、この裁判の起こったそもそもの理不尽さ、それは小さい体に対するものだ、つまり差別であるんだ、ということに怒り狂います。怒りは裏切った彼女に向いておらず、むしろここへ彼女を巻き込み、きっとどちらにせよ殺すであろうことに対しても、怒っているわけです。
これはなかなか、感情で動くといわれる女性にはない感覚かもなあと。
なんか、男の愛し方って、でかいのかも。と気づいた瞬間でした。こうして文字にすると、論理的思考だってことだけど。原因と結果の、正しい捉え方。
だから、別れた彼女を悪く言う男性は、女性ほど世間にいないのかな?
そして、女心にうとい相方がそうした思考であった(か、たどり着いた)という点が、新たな発見でした。(いや、でも深読みしすぎで、もう一回相方に確認したら、そういう意味じゃない可能性もあるんですが。。)
さて、いまやティリオンは炎に飛び込む虫のごとく。現場は大混乱。このままでは有罪で押し切られ、ついにこの世から退場してしまう運命になりかねない。ああ、どうか彼の口を止めてくれ!と思いきや。怒り狂った獅子のごとく、裁判官や世間に対して噛みつきながら、「決闘による裁き」を要求するのです!
これがどういうことを意味するのか。これは挽回の策なのかどうか、知識のないこちらには続きを見ないとわからないのですが、、、黙って殺される気はさらさらない模様!乗り切ってみせてくれティリオン!!
というわけで、思い入れてしまいましたが。
現在Amazonにて無料公開中なので、お暇な方は試してみては?
ただ、ほんとにひどいシーンもあるので、そこはもうムリせず、降りて下さい。ほんとに。
ちなみに、1話につき製作費11億円だという記事も発見。てことは、冒頭で書いた88億って、ワンシーズン分の費用なの!?
そりゃ壮麗な映像なわけですね……CGは普通にすごいし、衣装も鎧も剣さえも素敵だし、文化の違うたくさんの国が出てくるし、オープニング映像もものすごい凝ってるし。いやいや、日本で同じ予算&スケールはできないですよね。うらやましさも感じたりしながら、また続きを見ようかと思います。
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