PS3用ソフト『WHITE ALBUM2』を夫婦でプレイしてみました。
というか、もはや1人でゲームする時間はありませんので、ほぼ強制的にカミさんとプレイすることになります。
期待と確信と現実
『WHITE ALBUM2』はいわゆる美少女ノベルゲームですが、ネットの評判を見ると「とにかく泣ける!」「1か月引きずってる」「思い出すだけで目頭が・・・」等のコメントが多く、
私も期待してプレイしてみました。どんだけ泣けるんだよとワクワクすると同時に、
きっと嫁もこれを機にこういうゲームへの見方を変えてくれるだろうと、そういう確信がありました。
何故なら、『WHITE ALBUM2』のシナリオライターはそっちの業界ではかなり有名な方で、ハズレがないのです。
私もこれまでこのライターさんに数リットルの塩水を搾り取られた実績があるから、密かな自信を持ってゲームに挑めます。
ところが、結論から言うと、70時間近く一緒にプレイしたはずの嫁さんの感想は
「春樹(主人公)マジクズ!早く死ねばいいのに!」
と本当に毎日連呼し、
「見るのもいやだ、あり得ない。なんなのこれ!」
と、本当に最初から最後まで罵詈雑言の嵐でした。(普段は温厚な性格です。)
仕舞には「春樹の泣き声うざいから声消してくれない?」と言われる始末。
まぁ、そんな要望にもしっかり応えられてしまうシステムはさすがですが。
だから途中からは私も「さて、そろそろゲームでもしよっか?」と切り出すのがすごいためらわれる微妙な夫婦関係になってしまいました。
だから美少女ゲームを夫婦でプレイするのはお勧めしません。
私の感想はといえば、かなりハマッてしまっていて、”仕方なく嫌々”見ている嫁の隣で、実は結構、たびたび涙腺が崩壊し掛けていました。
1人でプレイしていたら間違いなく泣きまくっています、というより泣きたかった!
でもそんな顔を嫁に見られたら本気で引かれそうだったのでグッと我慢し、独身時代の自由な感情の発露を懐かしみながら物語を進めていました。
ホワイトアルバム2は特に楽曲がどれも記憶に残るくらい素晴らしく、ピークシーンでの歌の入りは神がかっており、徹底した人間の心情と負の部分の描写に圧倒され、私の中では間違いなく名作となりました。
ノベルゲームを異性とプレイすると・・・
そしてプレイし終えて、嫁の反応を思い返しての総括は「これって、やっぱ男性向けの1人用ゲームだよなぁ」というまったくもって当たり前の結論でした。
私の反省点は「美少女ゲームでも名作なら女性受けする」という間違った思想にあり、
「自分が良いものは他人も良い」訳ではない事のこれ以上ない証左となりました。
具体例を挙げると
女性はまず『キャラクターが魅力的か』を見る
つまりビジュアル面です。大体初見で、好きか嫌いかをはっきり分けてしまいます。
嫁が望むのは「かっこいい主人公」「かわいいヒロイン」であり、ホワイトアルバム2では女性のビジュアル自体はそこそこ気にいっていたようです。ただし、年月とともに異常に成長する女性特有の部分と、アホみたいに一途な片思いの心情描写には冷たい眼差し。
対して男性は、ビジュアルは恐らくそんなに気にしない。だって感動するストーリーで泣ければ大体名作判定になるし、泣けた=結果的にキャラもビジュアルも良かった、というプラス思考にどうしてもなります。だって泣けてんだから名作じゃん?という思考回路です。へたくそな絵でも「この絵柄だから良いんだよね」というポジティブさが男性には、少なくとも私にはあります。
女性は八方美人の主人公が死ぬほど嫌い
今回はこれが嫁の一番のバッドポイントでした。女性は多分、現実でもドラマでもゲームでも関係なく、男性が思う以上に八方美人の男が大嫌いと思います。
ホワイトアルバム2の主人公である北原春樹は、対女性において一言でいえば”ウジウジし過ぎな軟弱者”であり、こんな男性を見ていて女性が楽しい訳がありません。
だから
「さっさと別れりゃいいじゃん!」とか「勝手に病んでろ!」とか「そのまま死ねばいいのに」とか言い出す訳であり、
その次には、あきらかに釣り合わない美貌のヒロイン陣について「こんな男が好きとかアホでしょ」とか「さっさと振れよ」とかの
発言になります。つまり女性からしたらストレス以外の何物でもなく、感動のかの字も存在しません。
まあ、それ言い始めたら美少女ゲームというジャンル自体が成り立たないのですが。
それに比べて男性は、そんななよなよした主人公でもあまり問題はなく、そういう奴が主人公でもおかしくないゲームだと承知してやっているのであまりストレスも溜まりません。
途中で少し「おい春樹いい加減にしろよ」と思ったりもしましたが、何だかんだで感動シーンが多いので問題ありません。
「一見リアルだけど実はファンタジー」
それが『WHITE ALBUM2』を一言で表す夫婦としてのまとめです。
評価(★5つ)
夫 ★★★★☆(★4 歴史に残る名作ノベル)
嫁 ☆☆☆☆☆(★0 春樹死ねばいいのにね~)
こうしてみると、ネットのレビューがいかにあてにならないか良くわかりますが、
実際に夫婦でプレイしていて結構新しい発見もあったので良しとします。
それに70時間近く遊べるボリュームで2,000円ちょっとなのはコストパフォーマンス抜群です。楽しめる人にとってはね。
もう恋愛ノベルはしばらく封印し、次回作を探し中ですが、ノベルゲーって殆どが美少女ゲームなので探すのが大変です。
次は「ひぐらしのなく頃に」さりげなく勧めてみようなかぁ。
以上。
コメント
初めまして。
最近、WHITE ALBUM 2をプレイし終わった者です。私はかなり気に入りました。巷で言われるように人生を変えるほどとまでは思いませんけども。
美少女ノベルゲーム、特に名作と名高い本作が女性目線だとどう見えるか、個人的に興味があったので、大変面白く読ませて頂きました。
…まあ、そうだよね…!(>奥様の感想)
本題とずれますが、
散々文句言いながらもしっかり最後まで付き合ってくれた奥様との仲睦まじさ、なかなか羨ましいです!
SIRIUSさん
こんな古いページをご覧いただき、さらにコメントまでいただけて嬉しいです!
やっぱり名作ですよね~。私内容ほとんど忘れてますが歌とか楽曲は結構覚えてます(普段の日常で流れる曲が好きです)。
嫁とはあれ以来ノベルゲームはやってません。最近はフォートナイトとかやってますが過激な発言もなく、どれだけWHITE ALBUM2が人の心を良くも悪くも揺さぶるか再認識しました^^;
少しでも興味が満たされたらブログに書いた甲斐があります!ありがとうございます。
はじめまして、私は女性でつい半年程前に全く同じように同棲中の彼氏とホワイトアルバム2をプレイしました 笑
彼氏は昔やったことがあり、彼がおすすめする美少女ノベルゲーム(車輪の国とかCROSS†CHANNELとか、結構主人公の癖強めですが 笑)をプレイしたことがあり、その時は恋愛色が結構強いと聞きつつプレイしました。
率直な感想としては、あんまり好きになれなかったのは確かです。
美少女は私も大好きなので雪菜ちゃんもかずさちゃんも高校生編の途中までとてもいい子で、こんなの決められんよーと思いながらも、主人公はどうやらかずさちゃんに思いを寄せているようだったので、どこかで分岐する要素あったっけ?とか思いながらやってました(当然高校生編は分岐とかない一本道でしたが)。
なのでその後の雪菜ちゃんの行動とか、かずさちゃんの対応とか、主人公の選択すら理解できなくて、高校生編終わった時点でえ?何これ?と、かなり裏切られた気分でした。
大学生編は本当にもう、周りの状況が雪菜ちゃん推しで見てて引きましたね(笑)
彼氏は主人公の友達が好きだと言っていたのですが、私はあんまり…(笑)
主人公はどう考えてもかずさちゃんを引きずってる(雪菜ちゃんにもフラフラしてたけど)なのに何で?という思いもありました。
当然かずさちゃんルートは私の想定する最悪の状況で、ハッピーエンドに淡い期待をする心が打ち砕かれました(笑)
人によってはそれもまた一つの愛の形だとは思うのですが、どうしても雪菜ちゃんがいなければ…と思う部分もあったりして、ちょっとかずさちゃんを見るのが辛かったです(笑)
まあ、雪菜ちゃんルートではそうなるよなという感じだった(かずさちゃんルートが私には結構悲惨だった)ので、特に喜びもありませんでしたし、終始うーんという思いでした。
勿論泣ける部分があるのも否定しないのですが、やっぱりもう一回プレイするかと聞かれたら微妙な作品ではありますね。
あと、主人公が好きになれないのは奥様と一緒で御座います!(笑)
久しぶりに見てたらちょっと書き殴りたくなってしまって、長文失礼しました。
ヨミさん
コメントありがとうございます。
しばらくログインしなかったこともあり、コメントいただいてから4か月くらい経ってしまいすみません。
ヨミさんも彼氏とWA2をやられたのですね・・・かなりレアな体験だと思いますよ笑
半年前の記憶ということで、詳細な感想をいただき私も当時を思い出そうとしましたがほぼ思い出せませんでした。
唯一、春樹が失恋かなんかで引きこもってるときに妻が『そのまま死ねばいいのに』って真顔で言った場面がフラッシュバックしましたが、今は仲良く過ごしてます 笑
きっと彼氏も『名作なら女性受けするだろう』と当時の私と同じような心境だったと思いますが、ヨミさんが思ってた反応にはならなくて・・・優しく接してあげてくださいね笑
はじめまして。
知人からWA2をすすめられてプレイした後、この記事が目に止まり奥様の意見が面白かったのでコメントします。
私は女ですが、春樹くんに対しては過激な感情は抱きませんでした。むしろかわいくて頑張って!とおもっていました。(もちろん、もっとちゃんとしてほしい!とは思いますが…)
一方で、雪菜にあまり感情移入できませんでした。そこまでどうにかして彼を繋ぎ止めたいのであれば、もう成人なのですからそれ相応の手段があります。彼女は「良い」女性ですから、そんなことはしないのでしょうけど、触ると壊れてしまう守られるべき女性みたいなものが詰まっているような気がして、あまり好きになれませんでした。
キャラについては感情移入できない点も多かったのですが、浮気者の男を女が取り合うドラマとしては全体的に面白かったと思います。
女性に受けたいなら、浮気性だけどカッコよくて強い男性を主人公に置いたほうが良いような気がしますね。
なぎさん
コメントありがとうございます。ご返信とっても遅くなりすみません。
雪菜へのご意見はおそらく妻も一緒だと思います(確認はいたしません 笑)
“浮気者の男を女が取り合うドラマとしては全体的に面白かったと思います。”
なるほど、そういう見方もありですね!感情移入できなかったからこそ、冷静に全体を俯瞰してドラマとして評価が出来た可能性も!?笑
現代というリアルな設定と、一見リアルだけどファンタジーな展開は『そこでそうなるのかな?』という違和感がちょいちょいあったにも関わらず、楽曲の影響もあり強く感動した記憶がよみがえりました。
女性からのコメントが多いのが意外なのですが、プレイされてる(もしくは付き合わされた笑)方が結構いるんですかね~