『ビフォア・サンセット』の感想の回、ラストです。
前回の第4回はこちら
帰りの飛行機への出発時間を延ばし続けて、ジェシーはセリーヌを
彼女の家まで送ることにします。
そこで、アパートまでの石畳の小道に、ちいさな猫が出迎えているの
ですが、そこにも懐かしポイントが!
どうやらセリーヌの猫ちゃんで、溺愛中のようです。
そんな彼女が、
「この子のすきなところはね、」
と言うんです!!
たしかこれ、前作の少女のときにも言ってたセリフ!とファンなら
思うはず(笑)。
内容は思い出せないけど、「~はね、」って語りかけてくれるのが
なんともきゅんとしてしまうのです。
どんなところがすきなのか、また彼女らしい視点が素敵だなーと。
(たぶんわたし、実際にこの監督さんに出会ったら、人間として好きだろう
なと思います。この脚本書いてらっしゃるし。作品は人柄とリンクすると
思うから。)
セリーヌ役のジュリー・デルピーは歌手でもあるそうで、
そのためかどうかはわかりませんが、劇中でも弾き語りを披露してくれます。
(8なんとワルツ。多くのアメリカ映画では、あまり聞かないジャンルですね。)
恥ずかしがって歌おうとしないセリーヌに、聴くまで帰らない、という
ジェシーは、なんとか理由をつけて彼女の部屋にあがりこむ高校生みたい(笑)。
彼女が歌ったのは、忘れられない恋の歌で、たぶんそれは――なんだけど、
また冗談めかすんですよね。
彼も彼で既婚者ですから、踏み込みはしない。けども、っていう。
セリーヌは、最近亡くなった著名な歌手のコンサートの真似をして、
「飛行機に遅れるわよベイビー」とか言って。
それを、お客さん役であるジェシーは、ソファーにもたれて見て、
笑ってるんです。
久しぶりに、いい映画観たな、というか、いい時間過ごしたな、と
思いました。
最近は、展開の早い海外アクションドラマとかばっかり見てたせい
でしょうか?
日曜の夕方に、窓の外は金色の光で、もうすぐ晩御飯で、でも
画面の中では懐かしい顔が、きれいな外国の風景で再会して、いろんな
こと話してて。ふたりが
こんなに赤裸々に話ができるのは、恋人ではないから。
離れてても会話が途切れないのは、たしかな絆があるから。
お互い変わってしまっても、得がたい魅力があるから。
それは友情かもしれないんだけど、それ以上の情熱は立場上分別として
うまくごまかして、でも、予感と余韻を楽しんでもいる。
最高、もしくは台無しにする可能性に、賭けない。
おじゃんにしてしまわないところが、好きだなーと。
実はこれ、三部作なんですよね、今や(笑)。
2013年にさらなる続編が作られています(スターウォーズかホビットかい!)
それ録画してたかな?してなかったかな??
どっちにしろまだ見ていないので、気になるんですが、まだちょっと
「二作目」のこの余韻にひたっていたいな、とも思うのでした。
秋の夜長、アートと物悲しさとロマンスの季節、
前作ともども、一度ご覧になってみていただきたい映画です。
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