「獺祭」の桜井博志著『逆境経営』を読んで

今や最も知名度のある日本酒と言っても過言ではない山口県の銘酒『獺祭』。
先代の死をきっかけに傾きかけの蔵を背負わされるものの、
少量生産・高品質路線への転換、社員による酒造り、積極的設備投資、今後を見据えた
海外展開などが功を奏し、
今最も成長している(清酒業界では唯一の勝ち組とも言われる)企業のストーリー。

酒蔵経営者の本とはめずらしいなぁという感覚で購入しましたが、
桜井氏という一経営者がどういう信念を持ち、
それぞれの逆境を打ち破っていくかが本人の気持ちと共に詳細に綴られていて、
非常に共感しながら読み進めることが出来ました。

・思い切りと、良い意味での強引さ
「逆境」だから「失うものはなにもない」だから「とにかく俺が良いと思った
コレをやってみよう!」という
決して簡単には真似できない経営者としての「思い切りの良さと良い意味での強引さ」
が結果的に会社の発展に繋がっていき、まさに逆境経営という印象です。
「良い意味での強引さ」とは「”経営者”として確固たる信念に基づいての強引さ」で
ありその信念の方向性こそが桜井氏のセンスなのではないかと思います。

まぁ”大した酒が出来なかったが生酒で出したらたまたまヒットした”
“テレビ取材後いきなり在庫不足”
といったエピソードもあり、運も持ってるな~と感じました。

獺祭は大量生産だから云々・・・
機械で造ったつまらない酒・・・
と偏見のある方にこそ読んでほしい、著者の経営哲学と酒造りの哲学。
久しぶりに獺祭飲もうかな。

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