twitterで企業アカウントを始める前にまず読むべき4つの注意事項

現在、大企業から中小企業まで、多くの企業がSNSサイトに企業アカウントを開設し、日々運用されています。近頃はテレビ番組内でSNSサイトの投稿を表示したり、投稿された動画を紹介するコーナーが設けられたりと、SNSがリアルタイムで世間に浸透している状況です。

企業にとっては投稿一つで宣伝にも利益にもなるSNSは大変魅力的ですが、一方で『炎上』と呼ばれ、投稿内容が悪い意味でニュースに取り上げられてしまう事も少なくありません。SNSは誰でも気軽に始められる分責任感が欠如してしまうためか、目立ちたいがために犯罪に等しい行為を撮影したり、誹謗中傷を繰り返す悪質なユーザーが居る事もまた事実です。

その事を考えると、特に企業アカウントの運用に関しては細心の注意が必要です。なぜなら、基本的に自由であるSNSの利用には明確なルールやガイドラインが存在しないため、投稿内容が担当者の意図しない方向に解釈されようと、それが原因で会社全体のイメージが悪化しようと、一度拡散して共有されてしまった情報は永遠に残ってしまうのです。
現在はまだSNSにおける『企業アカウント』自体の歴史が浅く、どう活用していくか模索中の企業が多い段階ですが、一つ言えることは、個人が暇潰しで遊ぶ感覚ではなく、担当者においてはあくまで会社の名前を背負っているという認識と責任感が不可欠です。

今回はtwitterを例に、これから企業アカウントを始める際に担当者が注意しなければならない基本的な事項を4つまとめました。特に「企業」として運用する重要性に重きを置いた内容となっていますので「フォロワーの増やし方」「リツイートされやすい内容」といったテクニック面については記載しておりません。「私は普段からSNSを使っているし、投稿内容にも気をつけているから大丈夫」という方も、企業アカウントでの運用となると意外な落とし穴に嵌ってしまう恐れがありますので、この機会に今一度確認し、安全かつ末永い企業アカウントの運用に役立てていきましょう。

今回対象となる方は、twitterの基本的な使い方が分かっている方で、初めて企業アカウントの運用にチャレンジする会社の担当者を想定していますが、企業の規模に関係無く、個人商店の店主さんでも、大企業の広報部の方でも活用する事が出来る内容です。
また、twitterを使った事がないという方でもFaceBook、mixiなどのSNSサイトを普段から利用している方であれば内容はほとんど理解出来ると思いますので、今後の企業アカウント運用の参考にしてください。

企業アカウントの運用目的を明確にする事

企業として始めるtwitterですから、まず運用目的を定める事で『なんのために運用するのか』を明確に示しておく事が重要です。

しかしながら、SNSの性質上、投稿する内容次第で会社の評価が良くも悪くも変化するので、ここでいう『運用目的』は売上アップやお問い合わせ増加といった実務的な内容ではなく、『会社のファンを増やす』『会社の名前を知ってもらう』といった方向の方がユーザーとのやり取りや投稿内容にもぶれが無くなるのでおすすめです。
なぜなら、利益目的が強いと意に反して嘘を吐かなければならない自体になりかねないからです。先程述べたように、SNSでやり取りした記録は後から完全に削除するのがほぼ不可能なため、忘れた頃になって以前の投稿内容との整合性が取れない点をユーザーから指摘されたり、投稿の担当者が変わって以前とは全く違う事を言い出したりしたら、ユーザーの不信感が増し、フォロワーが離れて行きます。それを放置したまま投稿をやめたりアカウントを削除したりすると「何か都合の悪い事があったから逃げたんだ」という悪い印象だけが残り、会社のイメージダウンに繋がります。

ですので売上や目に見える数字での会社貢献度は、自社のアカウントにファン(フォロワー)が付いた後から自然についてくるものと考え、長い目で見ることが必要です。

もし貴方の会社の上司が納得せず「そんな運用目的ではダメだ」と言われたらこのページを教えてあげてください。会社としてやり取りする記録が全て残るという事の重要性を、担当者も上司もしっかり認識した上で運用目的を定めてください。

運用担当者の選び方

少人数の会社であれば担当者一人である程度自由に動いて対応できますが、営業部、開発部、サポート部など部署が分かれている大きな会社の場合は、それぞれの部署にあらかじめ話を通し、部署ごとに投稿内容やサポートについての相談が出来る担当をつけてもらえるといざという時に安心です。場合によってはそれぞれの部署から代表する形で複数人によるアカウントを運用する事も可能ですが、『ファンの獲得』という目的でアカウントを運用する場合、多くの企業がアカウントの『キャラクター』を設定します。そのため、キャラクターの設定を踏まえた投稿内容を作成する際に、人によりどうしても文面に統一性が出せない場合が多いです。ですので、出来れば投稿内容の考案担当者は一人とし、文章の作成やユーザーとのやり取りを楽しめ、かつどの部署とも円滑なコミュニケーションが取れる明るい性格の方が最適です。

投稿前の注意事項

どのような目的にしろ、twitterという舞台で言葉や画像で表現をしていく以上、競合する会社を中傷したり、自社の商品価値を貶めるような投稿内容はNGです。悪口ばかり言っている人は嫌われ、信用もされないのと同じです。
会社として投稿のガイドラインを作成できれば良いのですが、何もかも策定するには時間がかかりますので、ここでは投稿内容云々ではなく、最低限企業としてtwitterに投稿する際の注意点を述べます。

それは『投稿前の二次確認』です。
担当者は、つぶやく内容を作成したら、別の者に内容を確認して貰うようにしましょう。出来れば内容について関連のある部署の方や、上司に直接文面を見てもらい、自分が気づかなかった矛盾点や言葉の使い方について積極的に指摘してもらうようにしましょう。

一気にフォロワーが増えるような、ユーモアあふれるつぶやきを作成するのは並大抵のセンスでは難しいものですが、今世の中に『うけて』いる企業アカウントはいくつもあり、それぞれ個性あるつぶやきで注目を集めていますので、そういった企業のつぶやきの何が世間に受けているのか、フォローして研究するのも今後の運用の参考になります。

運用目的から目標を定める

これは注意事項というよりは、企業として成果を目に見える形で担当者が報告するために必要な事項です。先程『会社のファンを増やす』と記述しましたが、例えばフォロワーの数でも良いですし、設定したキャラクターが浸透して「自社についてこんなイメージを持ってもらえた」という投稿を集めるのでも良いと思います。
ポイントは、最初の運用目的を説明する際に明確な数字を示さない、示せない事をはっきりと理解しておいてもらう事です。ここがずれてしまうと、せっかくのキャラクター設定が無駄になったり、担当者のモチベーションが低下してしまいます。
「会社の信頼を積み上げて行く」という観点から見れば、何を目標とすべきか判断しやすいでしょう。数字が全てではありません。

最後に

さて、如何でしたでしょうか。
冒頭にも述べましたが、SNSサイトにおける企業アカウントの運用方法はまだまだ模索段階ですので、担当者のアイデア一つで会社が大きく発展する可能性も秘められています。自発的に行うにしろ上司の命令にしろ、企業と自身の成長のチャンスと捉え、健全で実りの多い企業アカウントの運営に取り組まれることを願います。

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