日本酒の熟成酒、古酒を少しずつ飲み始めてみて自分なりに分かってきたことをまとめています。随時更新中。
- 本当に旨い熟成酒とは
- 買って飲んだ古酒の記録
- 喜正 大吟醸 7年古酒
- 七福神 亀の尾 純米きもと生原酒 4年古酒
- 八海山 大吟醸 10年古酒
- 賀茂泉 純米吟醸生原酒 4年古酒
- 美丈夫 大吟醸 吊るし斗びん 12年古酒
- 朝日山 呑切り吟醸 25年古酒
- 満寿泉 純米大吟醸SUPECIAL 18年古酒
- 灘菊 大吟醸 23年古酒
- 醴泉正宗 13年古酒
- 喜久酔 純米吟醸 松下米 14年古酒
- 瀧自慢 大吟醸 斗瓶取 11年古酒
- 菊姫 山廃吟醸 20年古酒
- 金陵 瑞夢(ずいむ) シェリー樽熟成 10年古酒
- 義侠 純米原酒50 2年半古酒
- 義侠 侶(ともがら)2年半古酒
- ル サケ ナチュレル 5年古酒
- ル サケ ナチュレル 4年古酒
- ル サケ ナチュレル 7年古酒
- ル サケ ナチュレル 9年古酒
本当に旨い熟成酒とは
『熟成感がない熟成』が僕にとっての理想です。何年置いていようが、年月を感じさせず、旨いまま飲める酒が好きです。状態の良い熟成酒に共通しているのは、「高精白」の酒を「完全遮光」「完全冷蔵」で保管している事です(一部例外あり)。
茶色い古酒
古酒の中には年月が経って色が茶色くなってしまったものもあります。こういった酒は、香りは香ばしくカラメルのような感じがあり、味も濃く、元が日本酒だったとは思えないくらいの変化をしているお酒もあります。
この類のものは、香りや味に熟成感ありありというか、何かが突き抜けてしまった感じがして自分の好きなタイプの熟成ではありませんが、このような古酒のファンも多く居ます。
熟成の魅力は調和による円熟
もともと発売当時でも旨い酒が、長い年月を経て調和され、さらに完成されるのが本当の熟成だと思います。調和とはバランスを整えるということで、元の良さを損なうことなく、じっくり調和されていくには、やはり暗くて寒くて静かなところで眠らせる必要があると思っています。そうすることで調和が進み、円熟していくのだと思います。
『熟成=調和による円熟』
上に記載した茶色く香味が極端に変化してしまった酒は、その調和が崩れているので、好みではないです。
買って飲んだ古酒の記録
喜正 大吟醸 7年古酒
完全遮光・冷蔵品。色の変化は無く、マスカットの様な上品な香りが薄く香り、味わいは角が全くなく、まろやかながらも熟成で生まれた綺麗な厚みがあり、とんでも無く旨いです!突出した個性があるタイプではありませんが、非常にバランスが良い最高の1本でした。とても7年経過している日本酒だとは言われないと絶対分からないですが、繊細な日本酒の本来の熟成はこうあるべきだと確信出来る1本で、貴重な経験が出来て3000円投資した甲斐がありました。
七福神 亀の尾 純米きもと生原酒 4年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。香りは・・・かなり濃いです!梅酒のようなツンとくる独特な香りで、清酒としてはあまり良い香りとは言えません。ただ、しばらく空気に触れさせているとそのツンツン感が穏やかになり、香ばしさが際立ち、なんというか穀物っぽい、稲穂に囲まれているような印象になりました。
味わいは・・・生原酒ということもありやはり濃いですが、香りに感じた穀物っぽさが一気に口の中に広がるような感じで、2.2と表記のあった酸度はそれほど感じず、濃厚な香ばしさがずっと口の中で漂っているような密度のある味わいです。
八海山 大吟醸 10年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。香りはカラメルのような感じがあり、私の好きな熟成のタイプではありませんでしたが、味わってみると強い香ばしさの中にも繊細な吟醸酒の味わいの片鱗があり、元の酒の質の良さが分かるような一本でした。このカラメルっぽい濃い香りは、味わいの香ばしさにも比例しているようで、お燗で飲みやすくなる傾向がありますが、今回のように大吟醸クラスのお酒の場合、香ばしさの中にも綺麗な味わいがあり、冷やでもそこそこ美味しくいただくことが出来ました。ただ、やはり完全遮光、完全冷蔵の熟成酒と比べると見劣りしてしまい、折角の大吟醸古酒なのに勿体ないと感じてしまったのも本心です。とはいえ、日本酒の10年古酒を飲む機会も殆どないので、貴重な経験が出来たと思います。
賀茂泉 純米吟醸生原酒 4年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。香りは、やさしく甘い感じがしますが少しカラメルっぽさもあります。何というか、お菓子に例えるとバームクーヘンみたいな印象です。
味わいは、まろやかで熟成された感じがありますが、カラメルシロップのような感じもほんの少しあり、その点は残念でした。全体的には良くもなく悪くもなく、普通といった感じです。
美丈夫 大吟醸 吊るし斗びん 12年古酒
完全遮光、冷蔵品。四合瓶で4000円!信頼できる酒屋さんが「停電の時以外ずっと冷蔵」と仰っていたので、それが本当なら、ほぼ完全遮光、完全冷蔵で12年間熟成という、期待値と不安値の非常に高いお酒になっています!!
香りは・・・カラメルっぽさなどの異臭が全くない(良かった!)どころか、リンゴ様の上品で穏やかな香りがうっすら香り、酒自体の冷気?と相まって清涼感もあり、鼻が幸せになりました。
味は・・・うっっ、うまい!旨すぎるーーー!香りが良かったので全く心配していませんでしたが、これほどまでに旨いとは!丸みがありながらも後味はキレが良く、甘いとか辛いとかそういう次元の話ではなく、旨さの要素の全てが一体となった「完全調和」。言われなければこれが12年前の酒だなんて到底わかりませんが、12年間最高の状態で保管されていたからこそ、”熟成酒”としてここまで仕上がったのだと思います。熟成酒に必要なのは”熟成”であって”熟成感”ではないのです。事実、このお酒には”熟成感”を一切感じませんでした。ただひたすらに旨い日本酒です。
朝日山 呑切り吟醸 25年古酒
完全遮光、冷蔵品。1991年ということで、今から25年前になります。まさかのコルクで、しかもカビが生えてました!ヤバい気もしましたが、むしろ25年の年月を感じさせて感慨深いものがあります。前向きに考えましょう。ポジティブに・・・
香りは・・・穏やかな感じで、いわゆるリンゴやバナナっぽい吟醸香というのは感じませんでした。ただ、マイナスな香りがあるわけでもなく、落ち着いたお米の香りがします。
肝心の味は・・・正直に言いますと、現在の吟醸酒のレベルからみると一段低いと感じました。現在の本醸造クラスの様な印象で、保存状態が良いためマイナス点はありませんでしたが、アルコールっぽさをやや多く感じさせバランスが欠けているように感じました。日本酒は今が一番美味しい時代と言われていますが、それを体感させてくれる貴重な一本でした。
満寿泉 純米大吟醸SUPECIAL 18年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。で、何かがたくさん泳いでる?!見た瞬間飲む気が失せましたが、良く考えてみると、ワインなどでも年月の経ったものは下に滓(おり)が溜まることもあるし、蒸留酒である焼酎だって『焼酎の華』といわれる、白い旨み成分が見えることがあるらしいのです。つまり、これまで自分が見たこともない、18年経ったこの日本酒の中にあるヤバそうなものは、決して異物やカビではなく、もう少しはポジティブな成分なのではないでしょうか?!そう考えないと飲むという選択肢をチョイスできません・・・
とりあえずコーヒーフィルターで濾過してみます。
香りは・・・なんだろう。異臭はありませんが、吟醸香もお米の香りもありません。古酒に良くあるカラメルっぽさも感じず、薄いはちみつのような香りと、コルクのせいか木の香りがします。年月が経って色の濃くなった白ワインと同じものを感じます。
味は・・・これも色の濃くなった白ワインに近い風味で、酸味が強いです。最初飲んだときは「うぇっ」と呟きました。ちゃんと飲める味ですが、旨くはないです。
灘菊 大吟醸 23年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。パッと見ると製造年月が見えないんですが、角度を変えると”96-10″とうっすら記載があり、3年古酒なので造られたのは恐らく1993年、今が2016年なので、約23年古酒という事になります。
香りは・・・一言でいうと『ラムレーズン』です。目を瞑らせて嫁に嗅がせたら、やっぱりラムレーズンだと感じてました。カラメル感はかなり薄く、完熟しきった果物のような香りで、日本酒でこういう香りを感じたのは初めてです!
味は・・・こちらもカラメル感が無く、かなりあっさりした味わいですが、一口目は「味が無い?」と思い、もう一口飲んで「あ、結構旨いかも」と思いました。色の変化程には、味が濃くなったりしていなかったのでちょっとびっくりしました。予想外です。
で、その後少し飲んでると、”これ燗にしたら旨いんじゃね?”とビビッと来たのでやってみたところ・・・大当たりでした!熱い状態だとラムレーズンの香りで「ウッ!」となりましたが、不思議なことに、冷めてくるとそのレーズン感が殆ど無くなり、味わい深く、純粋なお燗酒として非常に楽しめました。
良いお燗は「冷めても旨い=燗冷めが良い」と言いますが、これまで本当にそう感じた酒はありませんでしたが、今回初めて冷めて旨い燗酒を体験しました。実はこれまで飲んできた古酒は一回もお燗したことが無かったので、少し勿体なかったかもしれません。
醴泉正宗 13年古酒
完全遮光、冷蔵品。期待大!
香りは・・・う~~~~ん。少しカラメルっぽさが入っていて、熟成感を感じます。原酒らしくアルコールの濃さも感じますが、吟醸香はありません。
味・・・やはりほんの少しカラメルっぽさを感じて残念に思いましたが、栓を開けて翌日、再度飲んでみるとそこまで気にならず、むしろ酸度の低さ(1.2)からくる飲みやすさにいつの間にか何杯も飲んでしまい、「燗にした方が良いかな?」とも思いましたが、だらだらと飲んでいるうちに結局一本空きました。
期待値が高すぎて、香りにカラメルを感じた瞬間、それまでニヤけていた顔が急に真顔になったのを覚えていますが、これも一期一会。心残りとしては、面倒でも燗にすれば良かった点で、今になって少し後悔してます。
喜久酔 純米吟醸 松下米 14年古酒
完全遮光、冷蔵品。色はほぼ透明!
香りは・・・落ち着いた上品な香りがします。華やかな吟醸香はありません。しばらくクンクンと嗅いでいるうちに、少しカラメルっぽさがあるのに気が付きました。
味わいは・・・お米のどっしりとした旨みが楽しめました。僕が熟成酒の理想とする”調和による円熟”も感じられ、とてもまろやかで飲みやすいです!
全体的に満足度は高いのですが、後になると香りで感じたわずかなカラメルっぽさが味わいにも感じるところがあり、このお酒の精米歩合が”50%”という点も考慮すると、少し飲み頃を過ぎてしまったかな、というのが正直な感想です。
瀧自慢 大吟醸 斗瓶取 11年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。
色は・・・殆ど変化が見られません。
香りは・・・ほぼありませんが、わずかに香ばしい感じがします。
味は・・・やはり遮光が不十分だったためか、少し香ばしい印象はありますが、こういうものだと割り切って飲むと美味しいです。とても11年前の日本酒とは思えませんが、惜しむべきはもし遮光も完璧ならもっとバランスが良く旨かったはず・・・という点です。
菊姫 山廃吟醸 20年古酒
完全遮光、冷蔵品。期待度は100パーセントです!
色は・・・上の写真の通り、そそいでみると結構、色が付いていますが、そもそも菊姫は濾過が最小限のため、最初からこの程度の色はついているかもしれません。
香りは・・・、これまでのいくつかの”残念な古酒”にあったカラメル臭を少し感じます。でも、遮光が完璧だったおかげか、なんだか上品な感じもします。
味わいは・・・こ、これは……悪くないです。凄い旨いかというと、そこまでではありませんが、お酒単体で熟成感が楽しめる良い酒だと思います。しつこいようですが、遮光のおかげで嫌味な感じが無く、今の時代の日本酒の中にあっても、個性的な味わいで受け入れられる余地があると感じました。
金陵 瑞夢(ずいむ) シェリー樽熟成 10年古酒
完全遮光、冷蔵品。
香りは・・・なるほど、このお酒はここがポイントです!当時シェリー酒の樽に半年熟成ということで、確かに樽っぽい香りがあり、香ばしい感じがしますが、マイナス香はありません。ここまでくると、味わいも期待できます。
味は・・・うん。うん。素晴らしいです。シェリー樽由来の樽の香りや味が染み込んでいて、一般的な日本酒の大吟醸とは少し違いますが、とても美味しいです。シェリー樽熟成の良さが全部感じられる??そして、10年くらい前の酒が、こんなに美味しく飲めるという事実に驚愕しています。 やっぱり日本酒の古酒は最高!
義侠 純米原酒50 2年半古酒
完全遮光、冷蔵品。義侠はほぼ全ての商品が、出荷時に瓶を新聞紙で巻いてあるため、遮光は殆ど完璧に近い状態なのがありがたいです。2年程度で”古酒”と呼ぶのはちょっと早いかなとも思いますが、旨けりゃなんでもOKです。
そして結論から言うと、あまりに美味しくてグラスに注いだ写真を撮るのも忘れていました・・・
その色は・・・ほとんど無色ですが薄~く黄色がかった感じです。おそらく出荷時そのままに近いのではないでしょうか。
香りは・・・非常に落ち着いた、穏やかな香りです。華やかといえば華やかですが、そういう次元ではなく、なんというか全体の調和の取れた酒にしか出てこない”円熟香”とでもいうべき魅惑的な香りです。
味わいは・・・これは素晴らしく旨いです!上の方で絶賛していた美丈夫や喜正に匹敵します。間違いなく飲み頃でした。という訳であっという間に飲んでしまうのでした。
義侠 侶(ともがら)2年半古酒
今回は結構衝撃を受けました。何が結構衝撃なのかといいますと、実はこれ、約2年半の間”常温保存”だったのです。僕が散々”完全冷蔵、完全遮光こそが理想の熟成”と言っていたのですが、何を思ってこんな高価な、しかも冷蔵もされていない商品を買ってみたのかというと、(義侠はほぼ全てがそうですが)瓶に新聞紙が巻かれていて、遮光状態は完璧だったからです。ほんとそれだけ。もし、新聞で巻かれていなかったら、絶対に購入していません。だってこれ、4600円もするんですから。
香りは・・・一つ目の衝撃!カラメル等のマイナス香の一切ない、非常に落ち着いた香りです。2年半とはいえ、常温保存でこの香りは、遮光のおかげとしか思えません。
味は・・・二つ目の衝撃!旨い。飲んだ時に旨味をしっかり感じ、後には綺麗に枯れた感じがして、とてもバランスの良いお酒に仕上がっています。ひたすら旨く、まさに今が飲み頃。燗もしてみましたたが、冷やして飲む方が美味しいと感じました。
ル サケ ナチュレル 5年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。長野県の”小布施ワイナリー”さんが造る日本酒の古酒です。ワイン製造がメインのワイナリーですが、毎年ごく少量だけ造る日本酒はワイン以上に珍しく、日本酒マニアを虜にしています。
このお酒、精米歩合90%でほとんど磨いていませんが、田んぼあたりのお米の収量は10~22%精米クラスの超高級大吟醸クラスのお米に相当するらしいです。しかも”生酛造り”で”生”という、多分ワイナリーにも残ってないんじゃないかという貴重な一本、その5年古酒になります。さて、実飲といきましょう!
色は山吹色で、香りはしっかりとした甘みと酸味の有りを感じます。
飲んでみると、個性爆発!これまで5年間、箱に入っていたのでもないのに、生ひねがないのは冷蔵保存のおかげか、瓶がやたら重くて分厚いから遮光性に優れていたのか、生酛造りの恩恵なのかは分かりませんが、強い酸味に負けない、熟成による蜜のような強い旨味甘味がぶつかって他にない強烈な日本酒体験が出来ました。トロッとした飲み口も最高で、日本酒の可能性を広げてくれるような、そんな一本でした。純粋に美味しくて、375mlでは全然足りませんでした!
ル サケ ナチュレル 4年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。前回が衝撃的な旨さなだけに、期待と不安でいっぱいです。
飲んでみると・・・やっぱりすごく旨い。実はこのお酒、数年間は横になっていてずっとコルクに触れている状態だったんです。そのコルク感はほんのちょっぴり感じますが、それも含めて全体として熟成による見事な調和が見られます。トロッとした・・・というより、もはやヌルヌルという表現でもいいくらいの飲み口に、コーヒーやナッツ、蜜や樽の風味で楽しませてくれます。驚くべきはこのお酒が精米歩合90%という事で、私がこれまで古酒を飲んで「高精白の綺麗な熟成こそ理想」という事を偉そうに言ってきましたが、それが覆される、いや、それぞれどっちもありになった感があって、すごいものを飲んだなという気がします。
ル サケ ナチュレル 7年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。これまで2本、サケナチュレル90の古酒を飲んでみて、自分の中で日本酒の楽しみのジャンルが明確に増えました。それは良質な酒米を低精白で、生酛などの自然派醸造で醸された酒の可能性はとてつもないものがあると飲んで分かったからです。最近は低精白のお酒も増えてきていて、しばらくはこのジャンルにハマりそうです。
飲んでみると・・・ナチュレル90特有の味わいの蜜感はしっかり有り。ただ、酸味がやや強めで、その味わいの密度、全体のバランスは前2つより劣るというのが正直な感想です。生老ねを若干感じ、これを飲んでる最中に前回の4年古酒も再度飲んでみましたが、味わいの密度・熟成度(熟成=円熟による調和)が全然違います。上質な本味醂のような、口当たりのトロみ感は申し分なしですが・・・
そもそもこれは7年も前の生酒ですから、普通に考えれば『何を期待してんだ?』って感じですが、これだけ長々とコメントして記録として残したいくらいには、小布施ワイナリーの日本酒の古酒に魅力を感じています。
ル サケ ナチュレル 9年古酒
遮光無し、冷蔵のみ。前回、ル サケ ナチュレル90の7年古酒で終わりかと思いきや、もっと古いのが出てきました!
さて、色はきれいな山吹色、香りは・・・少し甘みがありそうな感じと、コルクの感じがあります。
肝心の味わいは・・・これは前の7年古酒よりバランスが良く完成されていて旨いです!独特のトロリとした舌ざわりに、程よい蜜感と爽やかな酸味が合わさり、素直に杯が進む感じです。これ、9年前の生酒で、遮光もせず冷蔵庫に放っておいたんですけど、生老ねは確かにあるんですが、他の香味がそれを包み込む様な感じになっていて、嫌な感じが全くしないんです。不思議です。
低精白・自然派仕込みの古酒の底力を感じるとともに、それは裏ラベルで語られている小布施ワイナリーさんの酒米へのこだわりのなせる技だと思いました。
“お米を削らなくても旨い酒は造れる。その削らなかった部分が熟成の過程で酒に良い影響を与え、より完成度が高まる。ただし、それは本当に良い米でないと実現しない。だから日本酒は原料のお米こそが最も大切なんだよ”
そんな風に言われていてる気がして、もう一度裏ラベルをみていると
“理由無くして90%精米にしていません”との記載が。。。
この記載が9年前・・・何というか、三歩四歩先を行っているというか、昨今の低精白酒の増加はお見通し?いやいや、そんな事全く考えてない真っ直ぐな変人の杜氏像が浮かび上がりますが、だから日本酒って面白いんです!
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